ボケたいお年頃

ベッドタウン的な街の駅前で、ほろ酔いで自転車をゆっくりこぎながら2軒目として飲むため居酒屋を1人で探していたら、細身のスーツ姿、長くて柔らかそうな黒髪を軽くウェーブさせた感じの、年の頃25~26、色白メガネ女子
「あの、すみません」
と声をかけられた。
はい何でしょう、と答えると
「私、求職活動していて、それであの、今日ちょっと落ち着いたんです、、、どこか一緒に飲みに行きま…」

「行 き ま し ょ う」

誰かに声をかけることなんて初めてのような雰囲気を醸し出していた彼女に対し、ちょっと食い気味で即答。だってかわいいんだもん。女の子に声かけてもらえるなんてめったにないもん。嬉しいんだもん!「えっほんとですか」ええ、私はもうある程度食べてきたので、お姉さんの入りたいところに入りましょう。

その街は坂が多いため、ビルの2~3階が入口になっているところが多い。探している間に若いお兄さんの呼び込みを受け、ではそこにしましょう、ということで入ったのだが、そのビルも3階が入口になっていた。

自転車をどこに停めようかな、とお兄さんに相談すると、あっじゃあそこの入口のあたりに、でも出口が1階になるから、この札を1階に置いてください、と、1番上に某居酒屋グループのおじさまの顔が描かれた細長い板状の棒を渡された。声をかけてくれたお姉ちゃんには先に店に入ってもらった。エレベーターは無く、近くにらせん階段があり、じゃあ下まで降りていかないとですね、とお兄さんに言うと、いえもう放り投げてもらっていいですよ、と。階段の下、1階を見ると、もう1人店員さんと思われる、私より少しだけ年上っぽいお兄さんがいて、こっちこっちといった素振りをしてくれている。
じゃあえいっ、とその棒を下に投げると、一直線に落ちると思いきや、バトンのようにくるくる回りながら落ち始め、最後はどすっと地面に刺さりそうな勢いになった。下にいたお兄さんが慌てて階段をのぼってきながら、「ここのビルな、ほら、他の店からもお客さん出てきはるからな、投げたらアカンアカン(^^;;」って、私が酔っ払ってるからしゃーないなぁと言った感じで優しく笑いつつ諭してくれてんけど、えーだってもう1人のお兄ちゃんが投げてって言うてくれてんもん、私は下おりるって言ったもん、、、と思いつつ「いえあの降りようと思ったんですけどね、、、すみません」と、一緒に店の中に入った。

すると声をかけてくれた女の子が他の若い男の子としゃべっていて、「えっいくつなん?(*^▽^*)」って割とええ感じに会話が進んでいるような状態になっており、おやどういうタイミングで入ろう、でも女の子も満更じゃなさそうやし、求職中は色んなこと我慢して頑張ってやった感じやったしな、じゃあ私は様子を見ながら少し離れたカウンターで1人で飲みますかね、、、ってなったところで



目が覚めた。



そして、さすがにぼんやりしてるなぁ、軽く酔ってるんやな私、しかし夢の中でも2軒目探してるなんてさすがやなぁ~笑なーんて思ったけれど、よく考えたら全然飲んでもなくて、酔っ払ってる時並みに眠たくて飲みに行ったと勘違いしているだけだった。ちーん。