真摯な人生が紡ぎ出す言葉

自分から話しかけることも多い方だとは思うけど、話しかけられることも割と多いと思う。
(ひとりでウロウロしてることが多いからかもしれないけれど。)
ということでスーパー銭湯の露天風呂に入っていたら、おばあさんが話しかけてきてくださった。

私はね、身寄りには頼れなかったから、自分のことは自分のお金できちんとしておきたかったの。
でも、周りからしたらワガママだったかもしれないわね、お産でもみんなが1~2週間で出るところを、私は帰っても誰にも頼れないからね、「1ヵ月いさせてください!」って頼んだりね。笑
だけどね、自分の信念を持って決めてきたからね、ああしておけばよかった、とかは無いのよ。
私の主人は身体障がい者だったの。だからね、また頑張んないとってね。
主人を看取ってから17年になる。主人が最期ね、病院じゃなくて家に帰りたい、帰りたいって。私もすごく悩んだんだけど、息子にもね、「それは自分で決めなさい」って言われたの。それでね、家で過ごしたんだけど、最期は「幸せだ、幸せだ」ってずっと言ってくれてた。
77才で車の免許は返上したの、自分が何か事故でも起こしたら、子供達に迷惑がかかるな、と思ったから。
だけどバスも上手に使うと便利よ!楽しいわよ!
最近はね、自分だけのことを考えてる方多いでしょう、だけどね、やっぱりね、人のために何をしてあげられるか、だと思うわよ。そっちに考え方を切り替えないとね、やっぱり大変だと思う。
よくお友達も家に遊びに来てくれるの。
うちの家、日当たりもよくてね、風もよく通って、窓からは花火大会が見えたの。
ああ、幸せだなあ、って。幸せよね。

そんなおばあさんは83才。
ボーイフレンドと一緒にお風呂にいらしてた。

私、本を読むのが大好きだけれど、
人生を真摯に生きてこられた方のお話には、名著と呼ばれるものに記されていることと同じことが含まれることが往々にしてある。

しかしおばあさん、かっこよすぎ。
そらボーイフレンドもおるわ。

「今日はあなたみたいないいお顔の人とお話ができてよかった、ありがとう」

最後のセリフまでかっこよすぎ。
おばあさん、、、こちらこそ、ありがとうの言葉すら何だか薄っぺらいです。言葉は心を越えない…
でも、ありがとうございました!!!!!