たっぷる

こうして日々の出来事を書き綴ることによって、自分がいかに「〇〇放題」という名目を掲げるイーティングプレイス(別名パラダイス)に足を踏み入れているのかという事実を突きつけられ、いささか驚愕しておりますこんにちは。

とは言え今日は今日とてイタリアンビュッフェ。
食後に温かいティーでもたしなむか、、、と、サーバーからお湯をカップに注ぐ私。

お湯の場合、ボタンを押している間だけ出るパターンと、1度ボタンを押すと一定量が注がれた後に自動的に止まるパターンがあるように思うが、今日は後者。

トプトプトプトプ…
温かく透明な液体が、茶葉を内包する白く清潔な包み(=ティーバッグ)に触れることで、琥珀色へと変化してゆく。

うむ、私の優雅なティータイムまで後一歩…てか、ん?あれ?止まったけど少なくね?カップの半分ちょいぐらいじゃね?これティーバッグ抜いたら半分も無くね?

私にとって日本語の中で「まろやか」「なめらか」等に匹敵する好きな単語に「たっぷり」が挙げられる。
なめらかな曲線を描くカップから湯気を立てるたっぷりのミルクティーで午後のまろやかな一時。ううんたまらん。

しかしながら、この量ではたっぷり感が足りぬ。たっぷり不足。このままでは全日本たっぷり協会から怒りの通達が届いてしまう。いかん。それはいかん。全日本たっぷり選手権グランドチャンピオンの責務として、このような状況を看過する訳にはいかぬのだ。
という訳で、もう1回ポチッとな☆

トプトプトプトプ…
琥珀の海は静かに、たっぷりという名を体現するかのように勢いを増しゆく。
うむうむ、これでこそ午後のなめらかな時間とまろやかなティーカップ…いやまろらかな時間なめやかな…うーんまぁそんな感じの一時にふさわしい一杯ができあがろうとしている。
できあがろうと…して…るんだけども…、HEY YOU、ちょっと張り切り過ぎじゃNE?
カップの、カップの淵、すぐそこだYO?

トプトプトプトプ…
なるほど、申し分のないたっぷり感。たっぷりの中のたっぷり。キングオブたっぷり。たっぷりここに極まれり…て、ゆーかぁ、あ、溢れて、ない、か、NA???

明らかに許容量を超えた感を醸し出している、いやこの際きっぱりと申し上げる、溢れかえっているカップを、まずはその注がれ口から少し移動させる。ふんふふん♪とは言え、溢れかえっている状況に変わりはない。

さて、、、と、、、
どうしてくれようか。ティーソーサー的なものも見つからず、、、まさかこんなところで自席までの繊細かつ完璧なバランス感が求められる機会に遭遇しようとは。ふむ…しかし、致し方あるまい。やろう。やってやる。さぁ持て。全神経を集中して、カップを持ち上げる、持ち上げるのじゃ、持ち上げ…!!!!!!!


……………



「あのう、、、お姉さん、すみません、、、
床に、、、
床に、こぼして、
しまいました…」

お姉さんが床を拭いてくれて、
料理取り分けようのちっちゃいお皿をくれたYO☆
お皿にこぼしながら、自分の席まで辿りついたYO☆
あっそうそう、ミルクティーなのにミルク入れられなかったYO☆☆☆